今回のインタビューでは教員に対する“理想と現実”の中で見えてきた自分のスタイルについてのお話を軸に、また教育実習の重要性についてもお伺いすることが出来ました。
 

成城中学校・高等学校タイトル


今回お伺いしたのは、東京都新宿区にある成城中学校・高等学校です。

『教育方針』

-自学自習、質実剛健、敬愛親和、自治自律-

「自ら積極的に学問に打ち込み、自ら規範を守り、他者を尊重し強い信念を持つ人格者を育成する。これが創立時からの教育目標です。一人一人がこうした目標を自覚し、意義ある学校生活を送ることによって、真の自由な校風が作り上げらています。」

明治18年に創立。校名の成城は中国の古典「詩経」の中にある「哲夫成城」の「城を成す」に由来します。ここでいう城とは日本の城ではなく地域社会や国を意味するもので、「立派な男子こそ社会づくり、国づくりができるのだ」という意味です。“社会に有為な人材を育成する”という建学の精神は創立以来脈々と受け継がれています。

成城 校舎写真


インタビューに答えて頂くのは、教諭 小山 治郎 先生です。

不安なことや嫌だなぁと感じていることって“考えても仕方がない!”と分かってはいても、ふと気付くと考えてしまっているものですよね。ポジティブにいきましょう!って周りの人に言われても自分のことになると『そう簡単には…』と思ってしまうのが正直なところだと思います。今回小山先生のお話を伺って感じたことがあります。前向きな自分を生み出す為には、“今までの自分と一度離れてみること”が第一歩になる。自身のことを一度リセットするつもりで客観的に自分と向き合ってみると、“今の自分に欠けているところ=前向きな姿勢”という答えに辿り着くのだと思いました。これまでの自分で良い!と思えればそれは最高に幸せなことで、そんな考えを持てたこと自体が既に“前向きな自分”になれている証ではないのでしょうか。

それでは第15回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」ご覧ください!


教員を目指そうとしたきっかけとは

菊地
「待ちに待ったこの日がやってきました!それではまず、教員を目指そうとされたキッカケから教えて下さい。」

教諭
「実は私、小学校時代の担任の先生があまり好きではなくて…。簡単に言ってしまうと私は言うことを聞かない小学生だったんです(笑)。そんな子だったので先生からの“アプローチ”を少しイジワルに感じていたんでしょうね。なんというか手取り足取り教えてくれる先生ではなかった!というほうが分かりやすいですかね?そんな先生を見ているうちに『自分が先生になったらもっと生徒思いに動けるはず!』と考えるようになったんです。そんな立派なことを考えていた小学生時代…その後の中高時代はというと!とにかく遊び倒しまして(笑)今考えると中学受験の反動もあったのかもしれないですね。後ろから数えて何番目かといった順位が定位置だったような(笑)ただ“数学”だけは別格で好きだったのが救いとなり、赤点の常連だった私も高1くらいから巻き返しに成功しまして。巻き返したのは数学だけですよ(笑)それ以降は教員免許を絶対に取る!という強い覚悟を持ち大学に進学しました。」

菊地
「中高一貫校出身、現在は中高一貫校の先生!!運命的なものを強く感じますね~。」

初めての教壇での思い出

菊地
「では先生、初めて教壇に立たれた時のエピソードをどうぞ!!」

教諭
「大勢の人の前に立つこと自体が初めてだったので凄く緊張したのを覚えています。特に感じたのが“先生が言ったことを生徒はそのままメモを取る”という行動に対し、当時すごくおっかない仕事だと心底思いましたね。あと、私は教育実習が何より心に残っています。一生のうちで一番勉強したんじゃないかな?と感じるほどです。担当になってくださった先生が厳しい方で、指導案に対してのOKが全然頂けなくて…毎日早朝から夜遅くまで、とにかく無我夢中で頑張りました。おかげで教員になってから苦しいことがあっても“あの時を乗り越えられたのだから今回も乗り越えることが出来るはず!”と努力が自信に変わったことも確かです。」

菊地
「教育実習…小山先生が初めて担当した実習エピソードも頂きたいです!!」

教諭
「25歳で初めて教育実習生を受け持ちました。今まで何人もの実習生を担当してきましたが、そんな経験の中で強く感じたことがあります。“教育実習って実は実習生の為ではなくて教員の為にあるのでは?”ということです。実習生に言った言葉って全部自分に返ってくるんですよ。それが自分の勉強になる。だから皆さん!チャンスがあれば是非実習生を受け持ってみてください。日々の業務だけでも大変だとは思いますが絶対に身になりますし、終わった後に考えさせられることがたくさんあります。ちなみに私は教育実習生の担当、大好きです(笑)。」

菊地
「人に言うからには自分もやらなければ!の精神ですね。素敵です。小山先生のそういう考え方、私大好きです。」

教員として苦しかったこと

菊地
「では先生、教員になられて一番苦しかったことってなんでしょう?」

教諭
「生徒が途中で辞めてしまうことです。“不登校”って今の時代よく耳にしますが、一昔前は珍しくて…。当時は不登校の数も少なかったですしカウンセラーなんかももちろんいない。そんな中、教員になって4年目の時に担任をしていた生徒が不登校になり、最終的には学校を辞めてしまったということがあったんです。本人と話す時間もないくらいに急なことで、ある日突然という感じでしたので正直最後まで理由が分からず後悔の気持ちが大きかったです。未だにふと考えたりもします。ただその時のことをしっかりと教訓にし、それ以降は悔いの残らないような行動を取っています。もちろん皆が皆、復帰出来るわけではないですが、お互いに心残りのないような話し合いを続けるようにしています。それにとても大切なことに気が付いたんです。もしかすると“この子の居場所はここではないのかもしれない”と考えられる自分を忘れないこと。他の学校に行って充実した毎日を過ごしているとの報告を受け、他の学校で新たなスタートを切ることは決して悪いことではないのだと痛感させられたこともありました。一番大切なことは、生徒にとって一番良いと思われる道を一緒に考え、そして一緒に悩むことだと身を以って感じています。」

菊地
「何が一番良いことかを一緒に考えてくれる人が側にいる。それだけで生徒さんたちはとても心強いと思います。」

教員生活でのやりがい

菊地
「それでは、先生が感じる“教員のやりがい”とはなんでしょう?!」

教諭
「“先生”って裏切られてなんぼ!だと思うんです。ということは見返りを求めてはいけないということです。そもそも生徒は先生の言うことを聞きませんから(笑)。ごくたまに、100回に1回くらいは期待に(こちらの考えに)応えてくれることがある!もちろん子どもによって成長のスピードも違いますから、在校生の間にそんな反応が帰ってくるかどうかも確実ではないです。ですがそんな生徒との関係性を楽しみ一緒に喜べるならば、それこそが教員の最大のやりがいだと思いますね。」

菊地
「『裏切られてなんぼ!』このような考えが出来る人こそが“先生”と呼ばれるべき人なのかもしれないですね。」

目指した教員像とは

菊地
「では小山先生が目指していた教員像ってありましたか?」

教諭
「小学校の頃は物分かりの良い先生になりたいと思っていましたが、現場に来てみると一瞬でそれは違うということに気付きました。小学校時代の担任に謝りたいです(笑)。理想と現場は違う。私の考えが甘かったです本当に…(汗)。一番心がけていたことは頭ごなしに叱らない先生ですね。理由も聞かずに頭ごなしに怒る先生は本当にダメだと思います。また“叱ることと怒ること”は全く違うということを理解するべきです。ただ、生徒からすると“こんなことをすると人は怒ってしまうのか”というように子供たち自身が感じ学んでくれることもあるので、一概にダメとも言えない部分があるのが本音です。しかし感情を剥き出しにして怒ることは絶対にしてはいけないと私は思っています。」

菊地
「“叱ると怒る”紙一重の部分があるかもしれませんが“冷静さ”を失ってしまったらそれは怒るになってしまうということですね。皆さんも気をつけていきましょう!」
「それではここで小山先生のオススメの一冊をご紹介頂きます。」

教諭
「『男子校という選択【 著:おおた としまさ】』です。実はこの本の中に私出てくるんです(照)。夫婦による教育観の違いなんかも取り上げているので面白いですよ。おまけでもう一冊!『大空のサムライ【著:坂井 三郎】』もオススメです。命をかけて闘っている当時の人達に心打たれます。今の時代、命を懸けて挑むなんてことないですからね。先人たちの偉大さは言葉では語れないと痛感する作品です。」

菊地
「どちらも興味深いので是非読ませて頂きます。では続けて先生の流儀を教えて下さい!!」

教諭
「“常にポジティブ”です。私は小さい頃から『どうにかなるさ』という考えが強かったんです。困ったことがあると必ず助けてくれる人がいました。ただ、中高時代にこれではダメだ…と客観的に自身を見つめることで“誰かの助けがなくても生きていけるようになりたい!”という思いが湧き出てきました。そんな中私が考え着いたのが“山登り”。すぐに一人で山へ向かったことを覚えています。誰にも頼ることの出来ない状況って?と考えた時に、当時の自分の中で出した精一杯の答えだったんでしょうね。で結局独りでも『どうにかなるか』ことがわかりました。(笑)。だからポジティブです。」

菊地
「何かを変える為にはまずは行動に移すことが大切。“自分のことを見つめることの出来る人間”だけが成長出来ると私も信じています。」

若かりし頃の自身にかける言葉とは

菊地
「先生、若かりし頃のご自身に今会えたとしたらどんな言葉を掛けられますか?」

教諭
「『今の君は幸せだから今の自分を満喫しなさい!』ですかね。私はいつも“今が一番幸せ”だと思って生きています。それが辛い時期だったら尚更です。そんな時でも先に待つ楽しいことを考えています。深刻なことを考えても仕方がないと思ってしまう人間なので!!」

菊地
「今が一番幸せ。という言葉・・・ズキュンときました。(笑)」
「それでは最後に!!“教員を目指す方、現在教壇に立たれている方”へメッセージをお願いします。」

教員を目指している方々へ

教諭
「とにかく専門科目を一所懸命勉強しましょう!教育活動の基本です。自身がしっかりとした知識を身に付けていないと生徒にウソを教えてしまうことになりかねませんし、何より自信の無さは必ず生徒に見抜かれます。また熱中・集中できるものを見つけましょう。もちろんプライベートなことでもOKです。自分から積極的に、何かに集中している姿は輝いて見えます。教育者である私たちは、そんな姿を子どもたちに見せていくべきだと考えます。」

教壇に立たれている先生方へ

教諭
「“教員という仕事がなくなる!”なんてことを最近言われるようになってきましたよね。自分が最後の1人になるつもりで頑張っていきましょう。ただ人間長く生きていれば“中弛み”の時期もあります。しかし私はそれも含めて個性だと思っていて…自分が気付いた時に変わればいい、生徒に対し真摯に向き合うことを忘れなければ!だから真面目に、且つ肩の力を抜いて職務に励んで頂きたいです。」

成城


ということで第15回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」皆さんいかがだったでしょうか。
『いつも“今が一番幸せ”だと思っているんです。』と優しく微笑みながら話してくれた小山先生。笑顔が眩しいという言葉の意味を肌で感じさせてくれた方です。幸せって愛がある人のところにしか訪れてくれない、最高のご褒美だと思いませんか?!
 
小山先生は“愛”に溢れている方です。きっと今までもこれからも“愛情一杯”に生徒さんはもちろんのこと、周りの人を大切にすることの出来る先生だと感じています。
皆さん!今が一番幸せと言える人になれるよう日々の何気ない出来事を大切に、そしていつでも自分のことを客観的に見ることの出来る冷静さを忘れず!
愛のある人間関係を築くことの出来る先生を目指し頑張っていきましょう!!
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