生徒との接し方だけではなく、教員同士の関わり方にも言及して頂きました。教育としての現場、そして職場としての学校をどのように捉えているか、学校長としての視点からお話を伺いました。
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今回お伺いしたのは、神奈川県横浜市鶴見区にある法政大学女子高等学校です。

『教育方針』 

「女性であるまえに人間であれ」

-真の自由と自主性を求めて-

<自由と進歩>の学風を揚げる法政大学の付属高校として、創立66年目(前身である潤光学園から数えると82年目)を迎えます。創立以来、自主性と社会性をそなえ、それぞれの個性と才能を発揮していける女性の育成を目標に、生徒一人ひとりが学ぶ権利を自覚し、自由に物を考え、言葉と身体を使って自分自身を豊かに表現できる力を身につけることをめざしています。生徒の自治活動を尊重し、生徒と教師が力をあわせて作り上げていく学園の中で、生徒たちは自由と責任、自主性の意味を学んでいきます。

法政大学女子(学校)


今回インタビューに答えて頂くのは、校長  和仁 達郎 先生です。

“気持ちのよい対応”“魅力”に繋がります。
和仁先生の対応は、初めてお話した時から今までずっと私のお手本となっています。
表情が分からないので誤解も生みやすいと言われる“電話対応”。私はまず先生の電話対応に感動しました!
たった一本の電話でしたが、その日は一日中気持ちが良く『早く和仁先生にお会いしてみたい!』と訪問日を待ち遠しく思っていた自分を思い出します。そしてお会いした際にもお電話の印象そのまま!!とても優しく本当に温かい方でした。気持ちの良い対応は内側から出てくるものです。和仁先生と出会い、“心清き人”の本当の意味を知りました。

それでは第13回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」ご覧ください!
 

教員を目指そうとしたきっかけとは  

菊地
「先生、快くインタビューを引き受けて頂き本当に感謝しています。それではまず、和仁先生が教員を目指されたキッカケから教えて下さい。」

校長
「本格的に目指そうと思ったのは大学院の時です。高校時代までは考えたこともなかったですからね。(笑)なので大学も教育系には行かなかったですし、就職を考えていました。サラリーマンや公務員になっていた可能性も大いにありますよ。」

菊地
「大学院の時に免許を取得されたということで、とても悩んで決断されたのがよく伝わってきます。教員道へ背を押してくれたものってなんでしょう。」

校長
「大学時代にアルバイトで予備校の先生や家庭教師をやっていたのですが・・・この経験から刺激を受けたというのが正直大きかったです。その中で『教員になれば幅広く生徒と関われるのではないかな?』と考え始めるようになりました。ぶつかり合いながらでも生徒と一緒に考えていくということをしたいと思い、教員の道に進むことを決意しました。あと、元々勉強をすることが好きだったというのもあります。特に私は本を読むことが好きで、教員は“ずっと勉強が出来る仕事”というイメージがあったのでそこにも魅力を感じていました。教育実習もとても楽しかったですしね。」

初めての教壇での思い出

菊地
「和仁先生の学生時代、魅力的な先生っていらっしゃいましたか?」

校長
「いましたね~。職員室ではずっと読書をしているけど時間は黙々とテニスをしている社会科の先生がいました。いつもその世界に没入している感じで。(笑)ですがその姿が良かったんですね、“自然に勉強すること=楽しさを生み出す”というのが伝わってきて・・・その先生の授業は“押し付けがましくない”というか、こうしなきゃダメだという勉強のスタイルではなかったんです。」

菊地
「分かります。一方的な授業になればなるほど生徒側は苦手意識を持ってしまいますよね。先生、初めて教壇に立たれた時のことを覚えてらっしゃいますか?」

校長
「正直“なめられていた”と思います。ですが当時私としては“なめられるくらいが丁度良い”と思っていたんです。教員だからって権力を振りかざすようなことをしたくないという気持ちを強く持っていました。おかげで壁には毎日ぶつかりましたけれどね。(苦)ただこれだけは勘違いしてはいけません!『あの先生はダメだと思われたら終わり』です。生徒も大人と同じようにしっかりと人を判断することが出来ますからね。」

苦手な教科を克服させるための工夫 

菊地
「なるほど。親しみやすい先生との境界線が難しいですが、大切な一線はきちんと引いておかなければいけないということですね。」
「それでは先生、社会科の教員という視点で教えて下さい。“社会科”が苦手な生徒さんにはどのような指導を心がけていらっしゃいましたか?」

校長
「“社会科”に対し苦手意識を持たせないよう、生徒の身近な生活に関わるようなところから授業に入るように心がけていました。人は関心を持つと勉強をしたくなるものです。接点を持たせそこから刺激を感じてもらい、暗記をさせるのではなく生徒たちに考えさせ、また一緒に考えることを大切にしました。」

教員として苦しかったこと 

菊地
「その名の通り、社会に出た時に一番活かされる教科が社会科ですからね。確かに暗記では意味がなくなってしまう気がします。」 
「先生、教員になって一番苦しかったことって何でしょう?」

校長
「パッと思い浮かぶのは教員同士の関係で『難しいな。』と感じたことがあったということですね。当時は『分かってもらえない』というもどかしさが苦しかったかな。教員の結果は“生徒をどう育てるか”ということだと思うんです。ですがその結果が出るのがすぐにとはいかず、何十年先になることもあります。完全に同じ考えの先生ばかりではないですから、ぶつかり合うことがあって当然です。ただ今までの経験から“割り切る”ことの大切さも感じています。尾を引くと対立が生まれてしまいますからね。ですから、一致団結を求めることが必ずしも良い方向に行くとは限らないというのも正直なところで・・・難しいところですけれどね。」

菊地
「今の先生のお話しは、社会人である全ての人に贈けたい言葉ですね。菊地も心得ておきます。」
「生徒さんとの関係で悩まれたことはなかったですか?」

校長
「う~ん。例えば反抗的な生徒がいるとしますよね?でもそれは一時的なことなんです。コミュニケーションはただ楽しく接することだけを指すのではなく、ネガティブなことを通して行えることもあるんです。何よりも大切にしなければならないのは“何事にも逃げずに向きあう”ことだと思います。」
 
教員生活でのやりがい

菊地
「コミュニケーションて本当に奥が深いですね。私も、もっともっと和仁先生とコミュニケーションの時間を持ちたいです!これからも宜しくお願いします先生(笑)」
「ズバリ先生が感じる“教員のやりがい”とはなんでしょう?!」

校長
「やはり生徒との関係性でしょうね。生徒自身が『良かったな。』と思えることに“立ち会える・関われる”ことに有り難さ(やりがい)を感じます。」

目指した教員像とは

菊地
「素敵です。関わり合いの中から幸せって感じられるものですしね。では和仁先生が目指していた教員像ってありましたか?」

校長
「教員になる前は『こうすればこうなるだろう。』と頭の中で色々と考えていましたが、実際はその通りにいかないことばかりでした。確かにそんな簡単にはいかないですよね。でも色々な経験をするうちに“思い通りにいかないことの中に楽しいことがある”と感じるようになったんです。生徒は大人にはないピュアさと面白さを持っていますが・・・こちらの期待をあっさり裏切ってきたりもします。(笑)しかし“地味な日常の中に感動がある”というのが現実です。そして生徒は無理をしている先生をすぐに見抜きますので、あまり背伸びしすぎないことが大切ですね。」

菊地
「分かります~。頭で考えて上手くいくことって行動に起こすと大半のことが上手くいかないですよね。(笑)」
「皆さんお待たせ致しました!!ではここで和仁先生のオススメ本をご紹介頂きましょう。」
 
校長
「『「学び」の構造』 著書:佐伯 胖  です。この作品は“勉強とは何か”ということが書かれているので、若いうちに読んでおくと良いかもしれないです。」

菊地
「続けて先生の流儀も教えて下さい!!」

校長
「“道は必ずひらける”です。自分が大切だと思うことに対して主体的に関わり、努力をすれば絶対に道はひらけます。何よりも“一歩踏み出すことが大切”。自分が傍観者になってしまったらそこで終わりです。何もしないで文句や愚痴ばかり言っているのはつまらない。カッコ悪いなと思うことでも汗まみれになってやってみること!『ここでやらなければ後で後悔する』と気楽に踏み出してみることで、新たな可能性を見出すことが出来ますからね。」

菊地
「確かに躊躇してしまうことほど実はすごくチャンスなことだったりしますよね。」
「先生、若かりし頃のご自身に今会えたとしたらどんな言葉を掛けられますか?」

校長
「『肩に力を入れ過ぎず、もう少し力を抜いたら?』ですかね。(笑)」

菊地
「さっすが先生!!昔から頑張り屋さんだったんですね。」

 校長
「いえ、若かったので妙に突っ張っていたんですよ。(笑)」

 菊地 
「では、最後に!“教員を目指す方、現在教壇に立たれている方”にメッセージをお願いします。」
 
教員を目指している方々へ

校長
「生徒の上に立つのではなく、生徒と一緒に学び考えていくことが大切です。簡単に情報を調べることが出来てしまう今の時代、“知識を使っただけの授業”は遅れているスタイルなのかもしれません。ネットでは調べられない、答えがないことをどれだけ教えられるかがキーとなるでしょう。一方通行の授業では生徒は面白くないと感じ、時が過ぎると忘れてしまいます。自分なりの工夫を凝らした授業を展開出来るよう頑張って下さい。」

教壇に立たれている先生方へ

校長
「同僚性を大事にして欲しいです。“先生だからってパーフェクトではない”ということを職員同士が互いに認め合いましょう。思っていることを言い合える環境を皆で作りだし、助け合うことが何より大切です。教員側がありのままでない限り生徒も素直な自分を出すことは出来ません。社会も日本の教育も曲がり角です。今こそ学問・教育の原点に返り一緒に頑張っていきましょう!」

法政女子



ということで第13回「アイティーチャー菊地が行く!学校インタビュー」皆さんいかがだったでしょうか。

インタビューの中で、「社会に出てから活かせる社会科の授業とはなんでしょう?」という問いに和仁先生は「授業中に議論の仕方を学ぶこと」と答えて下さいました。生徒との対話・生徒同士の対話を何より大切に考えている和仁先生。社会科の先生の鏡だと心の底から感じました。
 
また、『出来るかどうか自信がないことに対して、人がやってくれて上手くいきそうであればやってみるという人が多い。むしろ自分で進んで挑戦し、周りを変えていく!くらいの気持ちを持ってくれる人がたくさんいたら良いですよね。』とおっしゃっていた先生。菊地はいつでも先頭に立ち何事にも失敗を恐れず挑戦していくことを誓います!!
今回のインタビューを通し、誰かに任せるのではなく“自分が周囲を引っ張っていく・変えていく”と一人でも多くの方に感じて頂けたら嬉しいです。


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